Thirteenth Pretty girl

2

   

なんなんだコイツは…。」

   

リビングのソファに寝ているピンク色の女の子を見たワイズは
リビングに入り開口一番青ざめた顔をしてそう呟いた。
仕事明けで疲れているのかいつも以上に顔を顰めている。

  

「えっと…可愛い女の子?」

  

カイリは困ったような、ちょっとふざけたような言い方をしてみる。

  

「そうではなく、なんで女がいるんだ、この屋敷のリビングに!!」
  
「なんか…よく分からないんだけどダンテと一緒に暮らしてるって言ったら倒れちゃって…。」

  

     

女の子が苦手なワイズは異常なまでにいつものクールさがなくなり
落ち着かなさそうに腕を組んでソファから離れた所に立つ。
女の子が寝ているソファのすぐ横に座るカイリに向かって
遠くからビビりながらガミガミ言う様子はなんだか面白い光景だ。

    

  

「へぇ…。ガキ、お前も中々罪な男だな。」
うるせぇ絡んでくんなヤンキー。

   

  

一人用のソファに腰掛けていたダンテにニヤニヤ笑うバベルが意地悪く絡むが
ダンテは今までにないくらいに機嫌が悪かった。

  

   

「ダンテ、この子は一体誰ですか?」
  
「…幼なじみのメトロ・メルカだよ。」

   

 

その様子を静かに見ていたクリスは顎に手を添え、
いかにも考えているポーズをしてダンテに尋ねる。
渋々ダンテは彼女の名前を言うがあまり良い関係ではないのか、
やはりダンテの表情は曇ったままだ。

     

  

「メトロちゃん…可愛い名前ね。…ふふっ可愛い。」
 
「名前と外見はね…だけど…」
  
んっ……

    

   

寝ているメトロの顔を覗き込みふふっと笑うカイリ。
よく見るとメトロが顔も小さく色も白く人形のように可愛らしい事に気づく。
メトロにほれぼれしているカイリを横目にダンテはローテンションに
何かを言いかけようとするとメトロが目を覚ました。

  

  

  

「あっ気がついた?大丈夫?」
 
うわっ!尻軽女!!
 
なっ、私そんなふうに言われる程経験ないわよ・・・?!
  

   
「そんな所でムキになるんじゃねぇよ。」

   

   

  

目覚めたメトロはカイリを見て一気に引いて指をさす。
カイリもカイリで経験を少ない事をついポロリと言ってしまいバベルに突っ込まれる。

    

  

「…とりあえずちゃんと起きれたみたいで良かったけど…。ここに用事でもあるの?」
 
貴方に話す義理なんてないもん!

   

  

ピキーーン

  

   

   
「ちょっとこっち来い。」

  

グイッ

 
  
わっ!ダンテったら積極的〜☆

   

  

あまりにもツンとした態度にカイリの顔が凍りついた。
そんな二人のやり取りを見ていたダンテは苦虫をかみつぶしたような表情で
メトロの手を引っ張りリビングから立ち去った。

    

  

「……って、なんなの?!あれ!
 
「まぁそう言いたくなる気持ちも分かるな。すげぇヒステリックなやつだな…。」
 
「はぁ…うるさくて敵わん…。」
 
「可愛いけど…可愛いんだけど…あれは…。」

    

   

可愛いもの好きなカイリだが、やはり限度というものがある。
周りが呆れる中一人悶々とする彼女だった。