Tenths *Nightmare Again
3
…あの時と同じにはさせねぇ…絶対に…させねぇ!!!
ドサッ!!
「きゃっ!!」
無理矢理暗い路地裏に連れてこられ、床に乱暴に倒される。
…やだ…何…何なの…?!
「…さぁ、楽しい時間の始まりだよ♪」
「あれ?そういえばこの子誰かに似てない?」
「えー?誰だよ、っていうかこの程度の女ならいくらでもいるだろ?」
「まぁいいさ、早くはじめようよ…おねーさん♪」
「…っ!」
体が震える…こんなに誰かを怖いと思った事はない…
どうしよう…逃げたいのに…足が竦んで…動けない…!!
「それじゃ、手始めに…」
ビリッ!!
「…っ!!」
服に手をかけられ胸元を無理矢理開けられる。
声が出ない…!
いやだ…怖い…怖いよ…っ!!
ガアンッ!!!
「一人の女に三人の男が寄ってたかって…何してんだよ?」
涙がこぼれそうなその瞬間、バベルさんがダストボックスを思い切り蹴り飛ばし現れた。
「うわっ、なんだお前!」
「…忘れてたとは言わせねぇ…お前ら…2年前と全然変わってねぇな…」
ユラリと現れたバベルさんは音もなく青年達に近付いた。
いつもと雰囲気が違う…冷たい瞳はまっすぐこちらを見ている…
「コイツ、あの時遅れて目の前で彼女がヤられた彼氏サンじゃねぇの?!」
「あーあの時の!あははははっ!!」
ガッ!!!
「バベルさん…!!」
残酷に笑う青年を殴り飛ばして、怒りをどうにかして抑えようとするバベルさん。
「っ…なんか引っ掛かったんだ…!!お前らの声であの時のやつらだと…!!
お前らさえいなけりゃアイツは…アイツは…っ!!」
「何言ってんだよ…お前がこの子を一人にしたからだろうが!!
あんな所で女一人残す方がバカなんだよ!!」
「…自分を正当化すんじゃねぇ…!!お前らがした事はれっきとした犯罪だ!!」
「やめて!!!!!」
一人の青年の胸倉を掴みあげもう一度殴りかかろうとした
バベルさんの腕にしがみつき必死で止めた。
「っ…!!」
ウーウーウー…
「お、オイ逃げるぞ!ポリスがくる!!」
「あ、あぁ…!」
遠くから迫るパトカーの音に気付いた青年達はそそくさと逃げて行った。
バベルさんに掴まれた青年も一瞬のすきをつき走りさって行った。
「くそっ…!!…オイ!行くぞ!!」
「えっ、わぁっ!?バっバベルさん…!!?」
バベルさんは私を抱き抱え、街の方へと駆け出した。